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こんどはPCB

こんどはPCB

まえがき

 さて、前々回から続きました有害物質シリーズ(土壌汚染、アスベスト)ですが、今回はPCB(ポリ塩化ビフェニル)を取り上げて、完結とさせていただきたいと思います。

 PCBについては、重要事項説明書の例示としては特段明文化はされてはおりませんでした。

1.PCBとは?

PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは、化学的に合成された有機塩素化合物の一つで、ベンゼン環が二つ結合したビフェニルと呼ばれる物質に含まれる水素(10個あります)が塩素に置き換わった化学物質です。置き換わった塩素の数や位置により209種類の異性体があって、これらを総称してPCB(ポリ塩化ビフェニル)といいます。
PCBは、無色透明で化学的に安定で、耐熱性、絶縁性や非水溶性など優れた性質を持っていたため変圧器やコンデンサ・安定器などの電気機器用絶縁油や感圧紙、塗料、印刷インキの溶剤などに、幅広く利用されました。 PCBは、生体内にたやすく取り込まれしかも残留性が高く、皮膚障害などの慢性毒性が認められます。

東京都環境局HP

 というわけで、毒性が高いので、注意の必要があります。

昭和48年頃までに、回収されたり、使用が中止されましたので、最近はあまり見かけなくなりました。

 で、建物の中で、どこに使用されているかというとこちらです。

使用中のPCB(主なもの)
・高圧コンデンサ
・高圧トランス(変圧器)
・照明用安定器(業務・施設用) ※一般家庭用の蛍光灯には使われていません。

 このPCBの厄介なのは、処分するのが大変な点と、処分するまでの間の保管が厄介なのです。

PCB廃棄物の処理について

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、昭和47年に製造や使用が禁止されて以降、30年に及ぶ長期の保管のため、紛失や漏洩が起きているものもあります。次の世代の環境安全が脅かされています。 このため、平成13年に「PCB廃棄物適正処理推進特別措置法」が制定され、PCB廃棄物の保管状況等について毎年度、都に届出するとともに、適正に処理することが義務付けられました。

というわけで保管も一定の届け出等の手続きが必要になります。

2.不動産鑑定評価基準での取り扱い

 不動産鑑定評価の分野で、PCBは、アスベストと並んで、建物環境調査項目の一項目として構成しております。

第三章の取り扱い

第3章 証券化対象不動産の価格に関する鑑定評価

国土交通省 不動産鑑定評価基準

 これは、証券化不動産鑑定評価といって、J-REITに組み入れられているような大型ビルなどの鑑定評価を行うことになります。これは、鑑定評価の中でも工数が多い案件になります。もし、建物に有害物質が存在し、利用者等に健康被害を及ぼす等により、利害関係者に不測の損害を与える可能性があるため、詳細な調査を要求されているという事になります。

 調査になると専門機関に依頼する事になります。

その専門機関が作成する成果物(レポート)が、エンジニアリングレポート(略して「ER」といいます。)になります。

ERは、一般に「建物状況調査」、「建物環境リスク評価」、「土壌汚染リスク評価」、「地震リスク評価」で構成されており、各種リスク分析から将来予想される様々なリスクの可能性を抽出し、可能なものは定量化(価格換算)して評価を行っています。

ERの最も幅広い業務範囲(フルスコープ)は下表のとおりとなります。

公益社団法人 ロングライフビル推進協会(BELCA) 総合企画部

 まとめると、上記のBELCA準拠のERにて記載されているPCBの調査結果を鑑定評価にて反映させるというのが一連の流れになっております。

3.微量PCB

 ここまで書かせていただきましたPCBというのは、実は2種類あります。

いわゆるPCBと呼んでいるのは、高濃度PCBの事で、もう一つは低濃度(微量も含む)PCBと言われるものになります。

分類高濃度PCB廃棄物低濃度PCB廃棄物
判明
時期
昭和43年に発生したカネミ油症事件を機に毒性が判明業界の調査により平成14年に汚染の事実が判明
PCB
濃度
5,000mg/kg0.5超~5,000mg/kg
(低濃度のうち微量は数10mg/kg程度)
判別
方法
機器の型式や記号により判別製造メーカーに確認し、機器についてPCBの汚染が否定できない場合は、油の分析により判別
処理
方法
化学的に分解焼却処理等
処理
施設
JESCO国の認定処理施設(外部サイト)

 高濃度PCBに関しては、PCBは昭和47年に生産が中止されていることから、昭和48年以降に生産された機器には、高濃度にPCBが含まれることはありません。

 ですが、低濃度PCB、微量PCBについては、平成築のビルについてもその存在が否定的出来ないケースがあります。それは、電気変圧器のコンデンサの絶縁油等に含有している可能性が有るというったりします。で、その成分調査をする必要があるのですが、その場合はビル全体を停電にする必要が出てきますので、年一回程度の全館停電の検査時についでに調査をしてもらうとかの対応が必要になりますね。

試料の採取分析の結果、判明した場合は、各都道府県が指定した専門業者のみが、処理できます。超高熱で処理するという話を聞いたことがあります。

あとがき

 土壌汚染やアスベストに比べると、PCBは結構馴染みがなかったかと思います。

宅地建物取引業の重説関係には、特に注意を払っていないようですが、証券化不動産鑑定評価には、必須の調査項目です。

 J-REITの投資目論見書を読む愉しみが増えるかもしれませんね。

〈了〉

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