不動産投資初心者必読!オーナーチェンジ物件のメリット・デメリット

新築物件のように立地の選定、建物の建築、入居者募集といった手間をかける必要がないオーナーチェンジ物件は初めて不動産投資を始める方から2棟目以降増やしていきたい方まで魅力的な物件です。毎月の家賃収入目安、稼働率など過去の運用状態がわかるので事業計画を立てやすく、2棟目以降の融資も審査が通りやすくなります。

一方で投資であるからにはデメリットもあります。瑕疵を見落としてしまう、現入居者への家賃値上げはできないなど制約もあります。

オーナーチェンジ物件とは

物件に入居者がいるまま所有権を引き継げる物件であり、旧所有者と入居者で結ばれている賃貸借契約もそのまま引き継ぎます。旧所有者と入居者の間ですでに結ばれている賃貸借契約を無理に変えることはできないので本当にこの条件で問題ないか、購入前によくチェックすることが大切です。

オーナーチェンジ物件のメリット

オーナーチェンジ物件には大きなメリットがあります。

旧オーナーが運用してきた経緯を見て不動産投資の基本を学べる

店舗経営に例えると居抜き物件のようなもので設備や従業員も資産としてそのまま引き継いだようなものです。賃貸経営もまっさらな状態から軌道に乗せるまでには土地選び、施工会社選び、入居者集め、管理会社選定、修繕や居住者トラブル解決等様々な困難を経て安定した家賃収益を獲得しています。初心者がイチから始めるには相当な困難が待ち受けていることは想像に難くないと思います。

過去に様々な経営判断を経たうえで安定させることに成功した物件を手に入れることは不動産投資初心者が賃貸経営のノウハウを会得するには最適物件を購入といえます。

すぐに収益化できる

新築物件の場合、物件を建設してから入居者を集めて実際に家賃が振り込まれ一連の仕組みを構築するまで数か月以上、満室にして家賃からローンの支払いが賄え、利益が出始めるようになるまではさらに長い期間がかかります。

オーナーチェンジ物件なら契約した月から家賃収入が手に入るため、ローンの支払いもスムーズです。金融機関も過去の実績を確認できるので融資も通りやすいメリットがあります。

大規模な修繕が不要

長く安定した稼働率を維持している物件ならばおそらく大きな瑕疵はないはず。ですがこの見極めが難しいので逆にデメリットにもなりえる部分です。

実際に物件に赴いてみて外観をチェックしましょう。外壁にチョーキングがでていないか(乾いた外壁を手でこすってみて白いチョークの粉のような跡がついていたらそろそろ外壁塗装をしなおすサインです)、ひどいひび割れはないか、階段や手すりが錆びて危険な状況ではないか、ベランダの下から見て水漏れ跡の様子はどうか・・・など外からでも確認できるポイントはたくさんあります。

また、ゴミ捨て場や自転車置き場の状況もみて住民のトラブルがありそうかも確認しておきましょう。

返済までのプランが立てやすいので融資が受けやすい

過去に運用してきた旧オーナーの実績から自分自身に当てはめたときどのくらいで返済できそうかのプランが立てられます。

銀行はきちんと計画的に返済できそうかを過去の実績、新オーナーの資産などから総合的に評価するので今まで稼いできた物件を引き継ぐことは融資を受ける側にとってもメリットになります。

関連記事:不動産投資を始める前に知っておきたいローンの審査基準、審査期間はどのくらい?

オーナーチェンジ物件のデメリット

メリットばかりではなく、デメリットもあります。

賃借人は選べず条件変更はできない

すでに入居している賃借人にトラブルを起こす人がいたりしてもいきなり立ち退き要求はできません。また、家賃値上げや借家人賠償責任保険など保険加入を強いることもできません。

前オーナーが締結した賃貸借契約の内容は、新オーナーにもそのまま引き継がれるのです。購入前に入居者の質のチェック、賃貸借契約が納得できる内容であるかのチェックは最低限しておかなくてはいけません。

内見はできない

オーナーといっても室内の状況を無理やり確認するわけにはいきません。ひどい使い方をしている可能性もあり、ふたを開けてみないとわからない投資としての側面が見えてきます。ですがそういった入居者はベランダや共用部に痕跡が見えるはずです。外観や共用部が荒れていないかきちんとチェックして入居者の質を見極めましょう。

空室リスクは無くならない

満室物件を手に入れたからといっても入居者の状況まではわかりません。実は転勤を控えていた、地方へ帰ることにした、など見えないリスクはたくさんあります。せっかく満室だったのに転居が多い春や秋に退去してしまうこともあります。

こうしたリスクは不動産投資をする以上ゼロにすることはできないのでリカバリーをうまくすることが成功のカギになります。春や秋に引っ越しが多いということは入れ替えで入居してくれる可能性も高まる、とも考えられます。空室リスク軽減については客付けをしっかりできる管理会社を選ぶことに尽きます。客付けが上手い管理会社は長く経営していてベテランも多いため物件管理も上手な場合が多いです。

関連記事:不動産投資で最も怖い空室リスク。空室がでやすい物件の対策と特徴は?

管理会社選びは物件購入と同じくらい見極めが必要な要素といえます。

瑕疵を見落とすこともある

物件概要書に、売主瑕疵担保免責という記載がある場合があります。これはオークションでよくあるノークレーム、ノーリターンのようなもので『物件の状況は自分でよく見て判断し納得したうえで購入してください。

購入後に瑕疵担保責任を求めないでください』ということを伝える記載なので購入後に建物に不具合があっても自己責任ということになります。

瑕疵、というと生活に支障がでるような目に見えるものを想像しがちですが、ガス、水道など地下埋設物の状況(途中で土地を分筆してライフラインの配管をしている場合は要注意。宅内に直接配管できるか確認)、シロアリにより木造の躯体が侵されている、隣地と境界の確定で揉めている(仲介会社から境界は非明示で売買する、と言われた場合要注意。必ず境界を確定)、エレベーター点検がきちんとされているか(有資格者による法定点検が1年に1度、制御盤、機械室、電動機の給油・確認、ブレーキ調整などの定期点検が月に1度必要)などの目の届きにくい箇所に瑕疵が隠れていることがあります。

こうした部分に気づかず購入してしまい、あとから多額の費用が掛かるリスクもあります。自分でチェックが難しい場合は専門家に相談をしましょう。親身になって相談に乗ってくれる不動産会社を選ぶことが瑕疵の見落としを避ける最善の方法です。

まとめ

オーナーとしてはコストがかかるからといって修繕を後回しにするわけにはいきません。安全に配慮して維持、管理する責任があります。確認不足で水漏れによる内側の腐食に気づかず、万が一ベランダや天井が落ちて事故が起きればもはや投資どころではありません。リスクを回避するためにできることはすべてやる、それくらいの気持ちを持って取り組んで頂くことが不動産投資成功の秘訣です。


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